用語 | 対応英語 | 解説 |
フェーズドアレイ | Phased Array(PA) | 複数の振動子から放射する音波の位相(時間)を電子回路で制御する事により超音波ビームを形成すること。及び受信信号において複数の振動子で受信した信号の位相(時間)を電子回路で制御し受信波形を形成すること。 |
クロストーク | crosstalk | 素子間の音響的・電気的な信号の漏洩。 |
走査(スキャン) | Scan、Scanning | 電子走査・機械走査を操作を含む超音波ビームの走査をいう。電子走査はセクタ走査・リニア走査等。機械走査はC-Scan等に代表される方法で探傷面上で被測定物に対して相対的に探触子を動かすこと。 |
スコープ | Scope | 探傷データの図形表示をいう。したがって"Aスコープ""セクタ走査Bスコープ"等という。 |
Aスコープ | A-Scope | 超音波受信信号の振幅を縦軸、時間(距離)を横軸にした波形表示方法。なお、向きを90度回転させた表示方法も用いられる。 |
Bスコープ | B-Scope | 超音波ビームを走査して得られる断面画像表示。 |
Cスコープ | C-Scope | 超音波ビームを走査して得られる平面画像表示。 |
Dスコープ | D-Scope | Bスコープと直交する断面画像表示。 |
PRF | Pulse repetition frequency | 探傷器が振動子を励振させるために送信するパルスの周波数。 |
サイクル | Cycle(s) | 1送信パルス(または1Aスコープを構成するために必要な複数の送信パルス)にて制御・生成される素子群による超音波の送受信。またはその時間。複数個のサイクルにより断面画像を作成する。 |
スキャンサイクル | Scan Cycle | 1つの断面画像を作成するのみ必要なサイクル数。またはその時間。 |
アキジションレート(1)、Bスコープアキジションレート | Acquisition Rate(1) | 断面画像の作成周波数。PRFを1つの断面画像の作成に必要なサイクル数(アベレージングを行っている場合はアベレージング回数をサイクル数に乗じた値)で割った値。表示器上の画面更新速度とは別の意味である。スキャンサイクル時間の逆数。 |
アキジションレート(2)、Aスコープアキジションレート | Acquisition Rate(2) | 1秒間当たりのAスコープの数。PRFとは異なる意味であるが、アベレージング・等価サンプリングを行っていない場合は同一である。 サイクル時間の逆数。 |
ビームステアリング、ステアリング | Beam Steering | 超音波ビームを偏向させること。セクタスキャンに多用される。 |
レッグ | Leg | 斜角セクタスキャンにおいて超音波が底面及び探傷面で反射するとき、入射点から最初の反射点までを1レッグ、そこから2回目の反射点までを2レッグという。0.5スキップ=1レッグ。 |
アパ―チャ(開口) | Aperture | アレイ探触子の音響放射面。 リニアアレイ探触子(1D)では素子の総幅を意味する。 |
アレイ探触子(フェーズドアレイ探触子) | (Phased) Array Probe (Transducer) |
複数(通常8振動子以上)の振動子で構成された探触子。通常PA探傷器に接続して使用する。 |
素子(エレメント、振動素子) | Element(s) | アレイ探触子を構成する振動子。 |
リニアアレイ探触子 | Linear array probe、 Linear array transducer |
素子が直線状に並んだ探触子。その1列に並んだ探触子を1D探触子といい、1D探触子の素子の長さ方向に対して焦点を持たせる目的で長さ方向の分割(通常3から4分割)を施した1.5D探触子がある。 |
1D探触子 | 1D Probe | 素子が1直線に並んだ探触子。 |
1.5D探触子 | 1.5D Probe | 素子が直線状に並んだ探触子で、 D探触子の素子の長さ方向に対して焦点を持たせる目的で、長さ方向の分割(通常3から4分割)を施した探触子。 |
マトリックスアレイ探触子(2D探触子) | Matrix array probe、2D Probe Annular array probe、Circular array probe(Daisy array probe) | 素子が格子状または二次元的に並んだ探触子。単純な格子状の2D探触子、アニュラーアレイ探触子、サーキュラーアレイ探触子(デイジーアレイ探触子)等がある。 |
アニュラーアレイ探触子 | Annular array probe | 素子が同心円状に並んだ探触子。 |
サーキュラーアレイ探触子(デイジーアレイ探触子) | Circular array probe(Daisy array probe) | 素子がドーナツ状に並んだ探触子。 |
プリフォーカス(インターナルフォーカス)アレイ探触子 | Prefocus array probe(Intenal focus array probe) | 素子の長さ方向に曲率を持たせた探触子。 |
同時励振素子数(同時励受素子数) | Virtul Elements(pobe) | PA探触子が同時に駆動する(できる)素子数。PA探傷器のA/D変換機あるいは受信回路の数を意味する場合もある。 |
総接続素子数 | Physical Elements(probe) | PA探傷器に接続可能な総素子数。 |
フォーカルロー(ディレイロー) | Focal law(Delay law) | 1つのビームを形成するための遅延時間の設定値。またはこの設定を使って超音波ビームを形成する手法。 |
送信ディレイ | Pulse Delay | 送信パルスの遅延時間。PAにおいてビームを偏向するために各素子に印加するパルスの遅延を行う。 |
受信ディレイ | Reciever Delay | 受信信号の遅延時間。PAにおいて、各素子で受信した信号の遅延を行い、 1つの剛性受信波形とする。 |
素子数 | Number of Elements | アレイ探触子を構成する素子の総数。 |
素子幅 | Element width | アレイ探触子を構成する素子の幅。1D探触子ではアクティブアパ―チャを構成する方向の素子寸法。 |
素子長さ、パッシブアパ―チャ、エレベーション | Element length、Passive Aperture、Elevation | 素子幅と直交する方向の寸法。1D探触子では、通常素子の長手方向の寸法。 |
素子ピッチ | Element Pitch | 隣接する素子の中心から中心までの寸法。 |
素子ギャップ | Element Gap | 素子間の隙間寸法。 |
メインローブ | Main lobe | 超音波の主ビーム。 |
サイドローブ | Sibe lobe | 音場において目的とする方向(主方向)以外に生ずるビームをいう。 ゴーストエコーの原因の1つである。 |
グレーティングローブ | Grating lobe | アレイ探触子の素子の配列関係によって生じるサイドローブ。 |
アクティブアパ―チャ(バーチャルアパ―チャ) | Active aperture、Virtual aperture | アレイ探触子で同時励振させる素子の総幅または総数。 |
有効開口 | Effective (active) aperture | 斜角探傷においてアクティブアパ―チャが見かけ上小さくなった開口。 |
ダイナミックフォーカス | Dynamic Focus、Multiple Focus | 超音波のビームを送受信時、電子的に制御し、複数のフォーカスを結ばせて全体として近距離から遠距離までのフォーカスを得ること。 |
ゾーンフォーカス | Zone Focus | 特定の焦点距離範囲において、深さ範囲毎にフォーカルローを設定して行う探傷方法。 |
ダイナミックデプスフォーカシング(DDF) | Dynamic depth focus(ing)、Variable aperture control | 特定の焦点距離範囲において、深さに応じて複数のフォーカルローを設定して行う探傷方法。 |
ボリュームフォーカス | Volume Focus | 送信波を送出し、受信信号を記憶し、領域内の各点に対応した遅延を算出してフォーカスを得る方式。1回の送信で、領域内の任意(設定した)点にフォーカスを得る事。 |
ウェッジ音速 | Wedge Velocity | ウェッジの音速で、通常縦波音速をいう。 |
ウェッジ角 | Wedge angle | 斜角探傷に使用するウェッジの幾何学的な入射角度。 |
中央オフセット高さ | Center offset height | 斜角アレイ素子配列の中央と接触面までの寸法。 |
エッジオフセット高さ | Edge offset height、Height of the first element | 斜角アレイ素子配列の最下部素子と接触面までの寸法。 |
バーチャルインデックスポイント | Virtaul beam index point | ウェッジの幾何学的なビーム中心線と接触面が交わる点。 |
素子感度補正(エレメントキャリブレーション、エレメントノーマライゼーション) | Elements calibration、Elements normalization | アレイ探触子の素子間感度差を補正する機能。一般的に平面反射源かわのエコー高さ情報を元に行う。 |
角度感度補正(ACG) | Angle corrected gain | セクタスキャンにおいてフォーカルローまたは角度毎にゲインを補正すること。 |
TCG | Time Corrected Gain | 電子的に行う距離振幅補償。EDACと同義。 |
(ステアリング)開始角度 | Start Angle、Minimam Angle | ビームステアリング範囲の超音波ビーム屈折の開始角度。 |
(ステアリング)終了角度 | Stop Angle(End Angle)、Maximam Angle | ビームステアリング範囲の超音波ビーム屈折の終了角度。 |
角度ステップ | Angle step | セクタースキャン時のビーム生成角度ピッチ。 |
(スキャン)開始素子 | Start Element | スキャンサイクルにおいて、使用する素子群の最初の素子番号。 |
(スキャン)終了素子 | Stop Element(End Element) | スキャンサイクルにおいて、使用する素子群の最後の素子番号。 |
電子走査 | Electronic Scan | アレイ探触子の複数の素子を電子的に切り替えて超音波ビームを走査する方式の総称。ただしASTM E249-06では、リニアスキャンの意味で使用される。 |
機械走査 | Mechanical Scan | アレイ探触子を機械的に走査すること。 |
リニア走査(リニアスキャン) | Linear Scan | アレイ探触子の素子を電子的に切り替えてビームを形成し、複数のビームにより探傷画像を作成する方法。一般的にフォーカルローを変えずに素子の切替をする。 |
セクタ走査(セクタスキャン) | Sector Scan、Sectorial Scan | アレイ探触子を構成する複数の素子(通常8素子以上)の個々の駆動タイミング(位相)を制御し超音波ビームの方向を変える方式。 ビームを扇形に走査することからセクタスキャンと呼ばれる。斜角探傷にはほとんどこの方式が用いられる。 |
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